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フェリスの外国語教育

フェリス女学院の起源は、アメリカ改革派教会の宣教師・メアリー・E.キダーが、数名の生徒に英語を教えたことにさかのぼります。

 フェリス女学院は、アメリカ改革派教会から派遣された宣教師メアリー・E・キダーによって1870(明治3)年、ヘボン施療所で行われていた英語の授業を引き継ぐ形で始まりました。その後、1875(明治8)年に山手178番地に移転の際に「フェリス・セミナリー」と名付けられました。
フェリスの草創期の授業は、そのほとんどをキダーがアメリカから取り寄せた教科書を用いて、英語で行われていました。1885年に入学し、後に副校長まで務めた林貞子は、『フェリス和英女学校六十年史』に、このような回想を寄せています。
「地理や歴史は勿論、倫理、論理も、家政も、生理も、動物も、植物もありとあらゆる学課は、皆英語でやられるのでした」。
当時、午前の授業は英語で行われる一方、午後は日本人教師による和漢学が取り入れられており、このほか宗教の授業などは日本語で行われていました。
生徒たちは、本科を卒業(現在の高校2年生の学年に相当)するためには、必ず英文と和文の論文を提出する必要があり、このような環境で学んだ結果、上級生になると外国人と英語で会話ができるようになっていました。
外国語によるコミュニケーション能力の育成を重視した教育は、150年の伝統を守りながらも時代の流れの中で変容しながら現代に受け継がれています。

【中学・高校】
音を重視する学習で4技能を身につける

 中学校の導入期には、入学後にアルファベットの暗記ではなく、日常表現を英語で「聞く、まねる、話す」ことから始めます。発音記号を初期の段階から導入し、発音記号と音を結び付け、英語らしい発音を身につけるのです。また、英語圏の子どもたちに読み書きを教えるために開発された「フォニックス」という方法も取り入れ、つづりと発音を結び付けて学習します。そして、様々な形で音読を取り入れ、音声面の習熟と言語処理の高速化につながる力をつけていきます。中学校・高等学校では、もともと「訳読」に頼らない英語教育を行ってきました。音を重視する学習で、4技能を身につける英語の授業はフェリスの特徴と言えるでしょう。
 「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能すべての力をバランスよく高めるために、ほかにもさまざまな取り組みを行っています。例えば、クラスを二分割して少人数で授業を実施し、生徒同士で行うペアワークやグループワークも積極的に行っています。リーディングの授業では、教員オリジナルのワークシートを使い、生徒同士が協働して考え、学びあうピアラーニングの要素も取り入れています。また、ライティングの授業ではグループ内で発表し、(※1)互いにコメントしあうことで、協力しながら学びを深めていきます。特にJ1、J2ではノート・単語帳の作り方や様々な音読の仕方などを学び、自分で勉強する方法を身につけていきます。また、レベル分けをした図書館の洋書を使い、多読に取り組むことで、教科書以外の英文にも触れる機会を増やしています。自律した英語学習者となるよう、様々な形で教員がサポートしています。このように、中学校では英語学習の基礎を固め、「input→intake→output」を繰り返し、「使える英語」まで高めることを目標として授業や活動を進めています。
 英語科の校内行事としては、年に一回中高別のスピーチコンテストを実施しています。スピーチコンテストでは、上級生の発表を見て下級生が学ぶ伝統が受け継がれています。J1、J2では暗唱に取り組みます。J3以上になると、自ら考えスピーチの文章を書くことが求められ、英語の知識や運用能力だけではなく他の教科の学習を生かし、総合的に学ぶ力を高めています。
 また、国際教育の取り組みとして、海外の留学生と交流するプログラムを実施しています。今年度は、5か国から来日した留学生とJ3からS2までの30人で5日間のプログラムを実施しました。コミュニケーションツールのひとつとして英語を使い、異文化交流を通じて多様性を理解するよい機会となりました。視野が広がり、将来の進路について一歩踏み込んで考える生徒の姿も見られました。
 (※2)また、秋にはロシアとタイから2名のAFSの短期留学生の受け入れを実施しました。J3とS1の35名からなる「国際交流サポーターズ」を結成し、留学生のために自主的に様々な企画を実行しました。生徒たちは、留学生と共に過ごす中で、For Othersを実践し、また、コミュニケーション力や英語を含む言語運用能力を高めることができました。
※1 フェリス女学院では、中学校の生徒をJ、高等学校の生徒をSと呼称・記載しています。
※2 公益財団法人AFS日本協会

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