教学のビジョンとして

創立150周年を迎えた2020年、フェリス女学院は以下のとおりミッションステートメントを定めました。ミッションステートメントとは、150周年以降のフェリス女学院が目指す教学ビジョンであり、未来に向けた使命と決意を表したものです。ミッションステートメントの実現に向け、学院一体となって変革を進めていきます。

ミッションステートメント

理事長メッセージ フェリス女理事長 亀德 忠正(きとく ただまさ)

フェリス女学院は、1870年にアメリカ改革派教会の宣教師メアリー・E.キダーによって設立されました。彼女は女子教育とキリスト教教育を重要視していましたが、当時の日本で女性が教育を受けることは一般的でなく、またキリスト教が禁止されていたことを考えると、彼女の理念は非常に先見性に富んでいました。しかし、他方で多くの困難が彼女を待ち受けていたことも容易に想像できます。彼女は異国の地である日本で、なぜこのような険しい道を歩もうとしたのでしょうか。それは、教育の力で日本社会を変えたいという強い意志があったからだと私は思います。
学校は目の前にいる一人一人の学生・生徒を育てる場です。しかし、その教育の先にあるのは社会の発展です。学校には、学生・生徒を通じてこれからの社会と世界を作り上げる力があるのではないでしょうか。そのような考えから、150周年を機にミッションステートメントを定めました。
私達は創立者メアリー・E.キダーの意志と先見性を150年後の現代に引き継ぎ、次世代を担う優れた知性と
”For Others”の精神を兼ね備えた人を世に送り出すことにより、より豊かな未来の実現に貢献してまいります。

理事長メッセージ フェリス女理事長 亀德 忠正理事長 亀德 忠正(きとく ただまさ)
1945年生まれ。東京大学法学部卒。
三菱銀行(現三菱UFJ銀行)取締役、(株)レナウン、(株)丸井グループ、グンゼ(株)の各役員を歴任。
2016年6月よりフェリス女学院理事、2017年4月常務理事、2018年10月理事長就任。

学院長メッセージ

創立150周年を機に策定された「ミッションステートメント」のもと、フェリス女学院は、次の50年、100年に向けた新しい歩みを始めています。それは、創立者キダーから託された「キリスト教の信仰に基づく女子教育」と、学院150年の歴史のなかで醸成された教育理念「For Others」を継承しつつ、さらに明確化・具体化する歩みです。キリシタン禁制の高札が立ち、女子教育が顧みられなかった150余年前、あえてキリスト教女子教育を始めた創立者たちの果敢な先駆者精神は、その後も各時代に先端的な最新の教育を行う伝統として受け継がれてきました。先行きの見えないこれからの時代にあっても、みずから課題を発見し、多様な他者と協働しつつ、「新しい時代を切り拓く」女性が育つ学院のスピリットの源泉がそこにあります。
創立以来150年間、フェリス女学院はつねに聖書のみ言葉によって導かれてきました。「真理はあなたたちを自由にする」(ヨハネ8:32)という言葉は信仰の原点であると同時に学びの原点にもなりました。真理の探究は、まことの自由を人間に与えます。 他人から考えを強要されるのではなく、自らの考えで行動できる人が育つ風土がフェリス女学院にはあります。真理の探究としての学問を尊重し、成果を社会に還元・発信することが、やがて世界の平和と進歩に貢献することを信じます。
また、神によって愛されるすべての生徒・学生が、その個性や才能を認められ、豊かに、のびやかに学び、成長する教育が大切にされてきました。創立から150年余を経た今、テクノロジーは飛躍的に発達し、グローバル化が急拡大し、社会の変化は私たちがこれまで経験したことのない速さになっています。しかし変化の激しい時代だからこそ、いつの時代にもかわらない普遍的で基本的な智慧・知識・理解・汎用的能力が必要になります。
そして同時に、変革がもたらす新しい コンピテンシーの観点からの力の教育も必要になります。このような時代と社会から求められる、「つねに改革されつづける semper reformanda」教育研究機関として、これからの50年、100年の歩みをすすめてゆきたいと願っています。

学院長 秋岡 陽学院長 秋岡 陽(あきおか よう)
1954年生まれ。国際基督教大学教養学部卒。シカゴ大学大学院人文科学研究科博士前期課程修了。
フェリス女学院大学教授、学長を歴任。
2020年フェリス女学院大学名誉教授、本学院理事・評議員。
2023年4月フェリス女学院学院長に就任。

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