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フェリス女学院では、グローバルな視野を養うための国際理解教育に注力してきました。
今回は、中高の海外研修、大学の海外短期研修・現地実習について、ご紹介します。
●中高編
多様性・異文化体験を通して価値観の変容や気づきを促す
フェリス女学院中学校・高等学校では、2025年度より新たに2つの海外研修プログラムを始動しました。J3対象のオーストラリア研修、そしてS1・S2対象のシンガポール研修です。オーストラリア研修は、多様性・異文化体験を通して価値観の変容や自分自身への気づきの機会となることを目的としています。また、発展的な位置づけのシンガポール研修は、英語をツールとして使用し、多様性社会の中で自己の見解を示し、考えを深めていく機会とすることを目的としています。いずれも事前研修を行ったうえ夏休み期間に渡航し、それぞれ34名の生徒たちが参加しました。
オーストラリア研修は、12日間。事前研修では、オーストラリア人の講師から言語や文化について学びました。また、ホームステイ先で気をつけることやマインドセットを学ぶオリエンテーションも行いました。さらに、最終日の「さよならパーティー」で日本の文化を紹介する準備をしたうえで、渡航しました。
現地では、英語のレッスンを受けたりバディと授業に参加したりと、オーストラリアの学校生活を体験しました。最初は戸惑う姿も見られたものの、生徒たちは英語で話すことの楽しさを実感し、英語学習へのモチベーションも高まりました。また、ホストファミリーと過ごす時間もたくさんありました。ホームステイを通して文化や生活習慣の違いを体感し、英語で積極的にコミュニケーションを取ることの大切さを学びました。慣れ親しんだ環境から飛び出し、大きく成長し、自立心が育まれると同時に、多くの人々の優しさと温かさに支えられて生きていることを実感する、貴重な機会にもなりました。
SDGsを軸に英語で議論 英語力も積極性も培う
一方、シンガポール研修は7日間。事前研修では、阿部校長とシンガポールの歴史について学ぶ場を設け、現地で使用されている教科書を読み解き、日本軍政下のシンガポールについても学びました。また、キックオフミーティングや現地校(メソジストガールズスクール、以下MGS)とのオンライン交流会も実施するなど、準備を重ねたうえで高い意気込みをもって渡航しました。
研修先のシンガポール国立大学では、SDGsの目標である「質の高い教育」と「ジェンダー平等」をメイントピックとして英語で学びを深め、現地の大学生・大学院生とディスカッションを展開しました。初日は緊張していた生徒たちも、日に日に積極性を増し、自ら意見を発表したり、グループリーダーの学生に話しかけたりする姿が見られました。最終プレゼンテーションでは、これらの社会課題をどのように解決できるかグループで協働し、発表しました。また、MGSでの一日学校体験では、朝の礼拝から授業、放課後の街散策まで、多様なバックグラウンドを持つ同年代の学生と交流し、異文化理解が深まりました。温かな歓迎を受け、大変思い出深い一日となりました。
3月から始めた事前準備を含めて、参加した生徒たちは一つひとつの活動に熱心に取り組み、知識だけでなくチームビルディングやリーダーシップについても学ぶことができました。現地で過ごしたのは1週間ですが、英語力も積極性もチームワークも、さまざまな面で大きな成長を感じることができました。改めて、フェリス生の持つ学びへの誠実な姿勢と意欲、底力、社会課題に対する意識、仲間を思う優しさ、他文化に対するオープンさなどを感じ取ることができ、引率した教員にとっても素晴らしい機会となりました。
両海外研修は、内容をブラッシュアップしつつ、来年度以降も継続して実施する予定です。
●大学編
長期休暇中に参加できる 海外短期研修・現地実習を実施
大学では1980年代終わりから海外大学との協定を増やし、留学環境を整えてきました。現在は春・夏休み期間を利用した短期研修から最長1年の長期留学まで、海外で学ぶさまざまな機会を用意しています。短期・長期のプログラムを合わせて、年間100名あまりの学生が海外で学んでいます。
大学は開学当初より語学教育に力を注ぎ、英語に加えてフランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、韓国語の講座を初習外国語として設置。英語・初習外国語でそれぞれインテンシブコース(週5〜6回)、スタンダードコース(週2回)、の4コースと二か国語コース(2言語をそれぞれ週2回)、の計5コース開講しています。専門分野に加えて高い語学力を身につけたいという学生も多く、そうした意欲に応えてきました。
その一環として始まったのが、海外短期研修プログラムです。海外短期研修は、語学科目の海外語学実習として開講され、春・夏休み期間に3〜4週間の日程で実施。英語圏(アメリカ・イギリス・カナダ)のほか、フランス、ドイツ、スペイン、中国、韓国の協定校等で行う語学研修では、語学プログラムの受講に加え、現地学校主催のアクティビティにも参加可能です。半年〜1年の長期留学はハードルが高いという学生にとって、気軽に挑戦できる貴重な機会です。
また、国際社会学科の専門科目で他学部・他学科にも開放されている海外現地実習もあります。担当教員の専門領域に基づき、現地で社会・環境の問題を学ぶほか、現地での意見交換等を通して課題解決能力を養う10日〜4週間のプログラムで、ベトナム、オーストラリアのほか、インドネシア、キリバス、イタリア(年度により異なる)を訪れます。いずれも全学科の学生が履修可能で、参加者は事前研修および危機管理説明会などに複数回参加し準備を行います。事後研修では振り返りを行い、現地での学びをその後の学生生活に活かしています。
思い切って飛び込み、異なる他者や文化を肌で感じてほしい
海外短期研修では語学力の向上、海外現地実習では専門領域について学ぶことに主眼を置いていますが、最大の意義は「異なる他者や文化を肌で感じ、理解すること」です。今の学生は幼い頃からインターネットやSNSなどを通して異文化や海外の情報に触れる機会が多いです。しかし、実際に海外に身を置くというのはまったく異なる体験です。触れてみて初めてわかることが必ずあるはず。未経験のことに不安を覚える学生もいますが、ぜひ思い切って挑戦してほしいと思います。
参加者からは、「行ってみたら楽しかった」「いろいろな国の学生と出会って刺激を受け、自分を変えるきっかけになった」「伝えようとすることの大切さがわかった」「言いたいことが通じて自信になった」といった声が寄せられています。言語の壁を越えて伝え合う喜びや達成感は、次の学びへの原動力になります。語学クラスでも、海外短期研修に参加した学生は授業へのモチベーションが高いです。
大学の国際センターでは、国際課や外部の留学支援事業者と協力し、海外に関心のある学生をサポートしています。経済的な負担などハードルもあるなか、学生の夢の実現に向けて共に考える姿勢を大事にしています。今後は学院全体として学生・生徒のさらなる異文化体験や語学習得環境の構築が進むことを願っています。

海外研修に参加した生徒の声
【研修前の声】
・話していないときもしっかりと考え、間違いを恐れず英語で自分の意見をはっきりと伝える
・「英語ができない」と諦めずに、ポジティブに!
・他人任せにせず、しっかりと準備をして現地で慌てない。調べてわかったことと、実際に見たことの違いを見つける
・チャレンジ精神を忘れない
・すべてを吸収する
【研修後の声】
・最初は恥ずかしかったけれど、だんだん英語への苦手意識がなくなり積極的に発言できるようになった
・間違いを恐れず話すことで英語力の向上を実感でき、英語に対するモチベーションが格段に高まった
・フェリスで学んだ内容と重なり理解が深まった
・研修の集大成として行ったプレゼンテーションでは、発表も質疑応答も英語で行い、達成感があった。悔いなくやりきれた

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