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歴史資料館オープン

 創立100周年を記念して『フェリス女学院100年史』が刊行され、その時に収集された資料の保存のために資料室が開設されました。それらの史資料を分類整備、簡単な展示室を常設してスタートしました。
 あれから50年、同窓生、教職員の協力を得てフェリスに関する資料を積極的に収集、調査してきました。大学の先生方の専門的な指導も頂き、今では既に10,000点以上の資料が分類され目録を作成し、保管されています。創立150周年 を記念して山手6号館がリニューアルされ、2020年4月に150周年記念館がオープンしました。資料室は歴史資料館となり、その1階に 歴史資料館の展示室91㎡と事務室が開設されました。事務室は、資料保存スペース30㎡と閲覧·執務スペース60㎡に分れ、地下2階には大型資料収蔵庫が完備され、分類された資料を収めた箱が整然と並べられました。資料閲覧を希望される方に迅速に対応できる体制が整い、学院の組織の一つとしての機能が充実しました。

 歴史資料館展示室は、資料室開室以来の長年の夢でした。フェリスの150年の歴史、フェリスが行ってきた教育を、学内はもとより学外の一般の方にも広く公開し、「フェリス」をよりよく知って頂くことを目的に作られました。
 1870年キダーが創立したフェリスの歩みは、決して平坦なものではありませんでした。関東大震災、アジア太平洋戦争など多くの苦難を乗り越えて今日に至っています。2016年から資料室運営委員会で協議を重ね、ようやく開館に至りました。知っているようで知らないフェリスの歴史を写真や図版、原資料をもとに分かりやすく説明しています。また単に学校史だけではなく、フェリスと横浜、社会との繋がりにも触れた展示となり、一般の方にも十分楽しんでいただけます。本展示制作の監修は国際交流学部の大西比呂志教授にお願いしました。施工は、横浜みなと博物館や国立アイヌ民族博物館の展示も手がけた株式会社日展が担当。狭いながら、立地条件を活かした明るい展示館が完成しました。
 正面入口は、カイパー記念講堂のステンドグラスの写真の一部です。写真の裏側からライトをあて来場する方を温かく迎えます。フェリスに関係する人々の根底に流れるよりどころを認識していただく場所でもあります。
 展示は、4つのコーナーに分かれています。第1展示コーナーはフェリスの草創期、キダーの来日からブース時代、第2展示コーナーは関東大震災から敗戦まで。苦難からの復興の時代です。第3展示コーナーは敗戦以降をテーマとしています。同窓生の皆さんには懐かしい写真、資料に出会えるコーナーです。第4展示コーナーは特別企画です。
 第1展示コーナーで注目していただきたいのは、1875年完成の寄宿校舎前で撮影されている写真(ラトガース大学アレクサンダー図書館グリフィスコレクション)です。2018年、資料室が行ったアメリカ調査で再発見した資料で、今まで本の挿絵でしか確認できなかった最初の校舎の図版の元になったものです。学校の中でキダーの姿を写した写真は今まで確認されていませんでした。左手に生徒たちをじっと見守るキダーと夫ミラーの姿、RCAの宣教師バラやアメルマンの話し声、整列している生徒たちがからからと笑う声が聞こえてきそうな貴重な写真です。じっくりとご覧ください。
 次はフェリスの赤い風車の再現模型です。これは、フランス山の風車再現にも関わられた松尾剛史氏(有限会社松尾設計代表)がフェリスの風車を調査し1/50サイズで作成したものです。今まで、開港資料館が所蔵している「吉浜橋からみたフェリス」の写真でしか分からなかったフェリスの風車について、氏が調査された研究の成果を発表していただいています。オランダの風車とは違うアメリカ式であったフェリスの風車は、風の強さにより主翼を開閉し、風を受ける面積を変化させ、汲み上げる水量を安定させていました。羽根がどのように回っていたのかをビデオグラフィックでご覧ください。
 特別展示コーナーは、定期的に企画展示を行います。開館記念の企画展示は、「学院の周年事業」です。150周年記念式典は残念ながら行えませんでしたが、過去の周年事業を振り返ります。
 この展示館の一番の見所は2つの地形模型です。トリアド工房が製作期間4ヶ月をかけ、精巧に作った山手キャンパス(縮尺1/500)、緑園キャンパス(縮尺1/600)の模型は、 多くの来場者の目を引きつけています。細かい箇所までこだわった校舎の再現、アンネのバラ、山手・緑園連絡バスを是非見てください。地形模型のバックには、歴史資料館が所蔵 している珍しい写真、懐かしい写真をプロジェクターから投影しています。ぜひ立ち止まってご覧ください。
 これからも、ひとりでも多くの方に、フェリスヘの理解を深めていただけるよう、歴史資料館はますます充実し、その活動の幅を広げていきます。

 多くの方にご来館いただきたいのてすが、新型コロナウイル ス感染予防のため、一般公開していません。当面は学院関係者のみの公開としますが、事前予約をした上て来館してください。
(電話:045-662-4411、 email: archives@ferris.ac.jp)

山手・緑園キャンパスの地形模型

山手・緑園キャンパスの地形模型

第1展示コーナー

第1展示コーナー

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