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修養会を通しての成長

「For Others」の精神を体現 
障がいのある学生の大学生活を支援

 「障がいをもつ学生が、障がいをもたない学生と等しく学び、学生生活を送るために」と活動しているのが、大学のバリアフリー推進室です。活動を通して『For Others』の精神を育んでいる学生たちの活動の様子を紹介します。


 フェリス女学院大学では、障がいや病気、ケガなどで支援が必要な学生が、障がいをもたない学生と等しく学び、等しく学生生活を送れるようなサポート体制を整えています。そのサポート体制の中心となっているのが、バリアフリー推進室です。
 バリアフリー推進室は2008年に設置されました。CLA棟の2階に位置し、バリアフリーコーディネーターが常駐しています。コーディネーターと共に学生スタッフが主体となり、障がいをもつ学生の授業サポート、学生生活の支援、キャンパスのバリアフリー化推進のための活動や情報発信などを行っています。

お互いがお互いのために
学生同士のサポートを

 特に学生スタッフが日々、力を入れているのが、先生が話している内容を要約して、筆記やパソコン入力で講義の内容を伝えるノートテイク(情報保障)やガイドヘルプ(移動補助)などの活動です。授業だけでなく、入学式やクリスマス礼拝でのパソコンテイクも恒例行事となっており、学内にバリアフリーの精神が浸透しています。
 今年度は、サポートを受ける学生が数名、それを20名の学生スタッフで協力しあいながら、サポートを行っています。
 バリアフリーコーディネーターの能勢江美子さんは「同じフェリス生としてお互いに助け合う姿」を学生から感じているそうです。
 「フェリスでは『ピアサポート』を重視しています。ピアサポートとは同じ立場の人同士のサポートという意味です。学生スタッフも、どこまでサポートすればいいのかを考えながら、それぞれに合ったサポートを行っています。特別扱いではなく対等な関係で、学生同士だからこそ相手の視点や思いを汲みとることができます。ですから学生スタッフの側も得るものが大きく、お互いがお互いのためにという『For Others』の精神が体現されています」。

バリアフリー調査を実施 
学内をより快適に

 相手の気持ちを知るためにと、学生スタッフたちは「ロービジョン体験」も行っています。これは、視覚障がいのある人を理解するためにメガネなどで一時的に視野を狭くし、その不自由さを体験するもの。
 「学生が中心となり、バリアフリー調査を実施し、緑園キャンパス、山手キャンパスのバリアフリーマップを作成しました。ロービジョン体験は、こうした調査にも活かされています。また、バリアフリー調査で明らかになった施設の課題については、大学とも連携し、改善しています。2018年度は、点字ブロックシートやエレベーターボタンに視覚障がい用の触知シールを設置。学生が快適に過ごせるよう、日々学内の改善を図っています。今後は、学生スタッフだけでなく、フェリス生全員が、お互いのために助け合う環境を作りたい」と能勢さんはいいます。

持続可能なサポートを目指して
 「教室の移動サポートなど、少しの気持ちさえあればできることがたくさんあります。また、気持ちがあってもどう接したらいいのかわからない学生も多くいます。まずは、サポートを必要とする仲間を知ること。そして、フェリス生が自然と手を差し伸べ合えるよう発信を続けていきたいと思っています」。

キャンパス内 移動補助の様子

山手キャンパス バリアフリー調査

パソコンテイク練習

ロービジョン体験

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