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修養会を通しての成長

修養会を通しての成長

 中高6年間に、生徒たちは3回の修養会、そして修養会に準じる「卒業準備の会」を経験します。これらの行事を同学年の友人たちと一緒に過ごす中で、多くの点で成長し、また学年の絆を深めていると言えます。
 まず、J1(注1)の夏休み初日に行われる修養会は、学校で日帰りのプログラムをもちます。講師は校長、主題は「フェリスのモットーであるFor Othersを学ぶ」ということです。例年、「善いサマリア人」のたとえをテキストに、隣人とは何か、隣人となるとはどういうことか等を講演、グループやクラス単位のディスカッション、全体会を通して考えます。聖書に触れて間もない時期、ディスカッションも慣れていない様子が見えますが、思いきって自分の意見を言うことや違う考えを聞くことの大切さを知り、「隣人を自分のように愛する」という聖書の教えに思いを向ける時となっています。
 J2、S1は、夏休み前の時期に二泊三日の修養会を伊豆の天城山荘で行います。J2は「友だち」、S1は「生きる意味」というのが大きな主題です。
 J2にとって修養会は初めての学年宿泊行事です。日常から切り離された環境で礼拝や祈りを多く共にする生活は、ほとんどの生徒にとって未経験のものです。昨年度は港南希望教会の鈴木義嗣牧師を講師に招き、講演や礼拝説教をして頂きました。また事前のホームルームと修養会の中で主題に関係するDVDを見るなど、わかりやすく、より深く友について考えることもできました。二日目の晩にはキャンプファイアーを囲んで、普段の礼拝とは違う讃美歌を歌ったり生徒の感話を聞いたりした後、鈴木先生から聖書のメッセージをお話し頂きました。J1の時より修養会委員をはじめとする生徒の役割が増え、自分たちでつくる修養会という意識が強まっています。
 S1では、深く広い主題から、年によって切り口の異なる修養会となります。昨年度は鳥居坂教会の野村稔牧師を講師にお招きしました。講師の講演、主題をめぐる映画、礼拝のメッセージやディスカッションなどを通し、それぞれが与えられた生をどう受け止め、どのように生きていきたいか、神が人間に何を望んでおられるか等、決してひとつの結論を出すのではなく、一人ひとりが考えを深めていきます。特に、二日目のキャンドルサービスは、心を静かにしてキャンドルの火を見つめながら礼拝を守り、聖書の言葉や友だちの感話、牧師の説教に耳を傾け、思いを深める貴重な時間となります。最終日の全体会も委員が企画や進行を担い、例年活発で多様な意見が交わされます。
 S2終わりの卒業準備の会も含め、心を開いて友と語り合い、学年が上がるごとに自分たちでより主体的に会をつくり上げていく姿に生徒の成長を見ることができます。日頃慌ただしい学校生活の中ではゆっくり真剣な話をする機会もなかなかありませんが、日常を離れてじっくりと聖書や人の言葉に耳を傾け、心を開いて語り合う中で、それぞれが内面的な成長、深化を与えられる貴重な時間になっています。

注1:フェリス女学院では、中学校の生徒をJ、高等学校の生徒をSと呼称・記載しています。

J2修養会

S1修養会 ディスカッションの様子

S1修養会 キャンドルサービスの様子

J2修養会 最終日の全体会の様子

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