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中高の奉仕活動

中高の奉仕活動

 キリスト教に基づく女子教育を基盤とした中高には、「奉仕」を実践する様々な活動があります。
教育理念 For Others を表すこれらの活動についてレポートします。

◆ 学校生活とともにある奉仕の機会
 中高には、「奉仕」という言葉で表される多様な活動があります。まず代表的なのが、土曜日の午後にJ3の生徒が交代で学校近隣の聖母愛児園(児童養護施設)や芙蓉苑(特別養護老人ホーム)を訪ねて、奉仕する活動です。これは1978年に、生徒の「For Othersを実践したい」という要望から生まれました。
 11月の奉仕週間では、キリスト教関係の社会事業やボランティア活動を行っている方のお話を朝の礼拝で伺い、奉仕について生徒一人一人が考えます。この期間には、感謝祭礼拝も行っており、生徒が自宅から持ち寄った野菜や果物を放課後近隣施設にお届けしています。
 さらにクリスマスを待ち望むアドヴェントの期間に、各クラスから選ばれたホワイトボックス委員が中心となり、「ホワイトボックス」と呼ばれる白い箱をクラスに置いて、クラスごとに献金をします。委員会内で献金の送り先を話し合い、社会福祉施設や国際的な医療・食糧援助等、様々な分野で活動している団体や、災害に遭った方々に献金を送っています。
 このように、生徒が「奉仕」を身近に感じる場面が、日々の学校生活には溢れています。これらの経験をきっかけとして、人道支援NGOを立ち上げた卒業生もいれば、地域等でボランティア活動に参加している卒業生もいます。中高の奉仕活動では、「自らの意志で取り組む」という精神が大切にされています。
◆ 奉仕委員の活躍
 自ら奉仕活動に参加する例として、奉仕委員の存在があげられます。人数を制限しておらず、希望すれば誰でも委員になることができます。J3による奉仕活動を行う際には、リーダーシップを発揮して活躍しています。任期はJ2の2月からJ3の3月までの1年間で、今年は21名の生徒が活動しています。
 奉仕委員を希望した生徒は、はじめに係決めを行います。委員長、副委員長、奉仕新聞係、奉仕活動の担当表を作成するローテーション係、奉仕活動に参加した生徒の感想を集約する感想係等多岐にわたりますが、どのような係を設けるかもその年の奉仕委員に任せられています。また、前年度に奉仕委員を務めた上級生と共に、聖母愛児園や芙蓉苑での奉仕活動を経験し、基本的な活動の流れや心構えについて学びます。「小さな子どもとどのように接すればよいのだろうか」、「高齢者の方と上手く交流できるだろうか」と最初は不安を多く抱えますが、経験を積んで自信をつけ、次第に同級生を率いるリーダーへと成長していきます。
 奉仕委員活動の集大成ともいえるのが、委員による奉仕活動の礼拝報告です。11月の奉仕週間の礼拝で行われ、全校生徒の前で、奉仕活動を通して学んだことや考えたことを発表します。
これを聞いて、自分も奉仕委員になりたいと思いたつ下級生も多くいます。そして年が明けると、これまでの経験から得た奉仕委員としてのノウハウを後輩に伝え、委員としての活動を締めくくります。
 「奉仕」というものをどう捉え、どう関わっていくかは、生徒それぞれが自由に決めることですが、奉仕委員の礼拝報告からも分かるように、J3の奉仕活動を通して得た経験は、生徒に何らかの気づきを与えるきっかけとなっています。「他者のために行動したい」と考えた生徒が自由に活動できる機会を、中高ではこれからも守り続けていきたいと思っています。

感謝祭礼拝前の準備の様子

アドヴェント期間に各クラスに
置かれるホワイトボックス

ホワイトボックス献金の集計結果を
見る生徒感謝祭礼拝前の準備の様子

奉仕活動の報告「きのこのほうし」(奉仕委員作成)

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