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第5回 図書館 学びの宝庫!

 中高の図書館は、もともと短期大学図書館と共同の、1つの図書館だったこともあり、「図書室」ではなく「図書館」と呼ばれます。毎日たくさんの生徒が訪れますが、利用するだけでなく、図書館の仕事にも生徒たちが携わります。その様子についてレポートします。(2014年6月)

生徒も係わる選書プロセス

 「図書館」という名称から想像されるように、その規模は大きく、蔵書数は9万冊近くあります。教科学習のための書籍はもちろんのこと、雑誌や写真集から、新作の一般小説まで幅広く取り揃えられており、訪れる生徒たちを喜ばせ、知的好奇心も引き出しています。
 どの本を蔵書とするかを決定する選書は教員が中心となって行いますが、生徒の意見も取り入れられます。図書館に入れてほしい本がある場合には購入希望図書申込書を提出し、検討の結果が図書館に掲示される仕組みになっています。また、年に1度、生徒たちが本の買い付けに行く「店頭買い」は、生徒の読みたい本を自ら購入できる機会で、事前に各クラスでアンケートを実施し、購入する本を決定します。どの分野の本をどのくらい買うかの配分が難しく、苦労も絶えないようです。2013年度の店頭買いは、7月に行い、140冊の本を購入しました。店頭買いの際に大切にしているのは、「フェリスの図書館にふさわしい本を購入しよう」という視点。こうして配架された本は多くの生徒の手にとられています。

図書委員の活躍

 図書館の支え手として欠かせないのが、図書委員の生徒たちの存在です。各クラスからおよそ2人、合計で50人ほどが1年間活動します。
 図書委員は、前述の店頭買いのほか、昼休みと放課後の貸出・返却手続きを行うカウンター業務、返却された本を書架に戻す配架や、広報活動として「図書だより」や教員や図書委員の推薦図書を紹介する「私の本棚」(※下記コラム参照)の発行などを行います。全員で集まる委員会は週に1回ですが、担当ごとの集まりもあり、クラブ活動などで毎日忙しい生徒たちは、時間のやりくりに苦労しながらも委員会活動に力を注いでいます。ある図書委員の生徒は「フェリスの図書館は蔵書数が多く種類も豊富です。魅力ある図書館をたくさんの生徒が活用してくれたらいいな」と話します。この思いを実現しようと、2013年度は図書委員からの情報発信の方法を工夫しました。下足室の前に設置されている図書館の掲示板には新着図書案内や延滞者情報を掲載していますが、少しでも目に留めてもらえるように、季節にちなんだ装飾を施すようにしました。その成果もあり、最近では、「このごろ、図書委員頑張っているね!」という声も同級生からあがるそうです。

学びを深める場

 授業の中でも図書館は活用されています。多くの教科で、課題について図書館で資料を調べてレポートにまとめるなどの学習があります。中には1年をかけて取り組むものもあります。もともと教科に関連した本も多く揃えられていますが、課題に沿った本や最新の資料などがないときは、先生や生徒が要望すれば購入してもらうこともできるなど、授業の様々な場面で積極的に利用されています。
 学びの宝庫である図書館を学校生活のあらゆる場面で活用してもらうために、配架レイアウトは、「何が、どこにあるのか」すぐに分かるよう、シンプルにされています。生徒が足を運びたくなるような、居心地の良い環境を整え、生徒が自分で見つけた「学びたいこと」を追求するためのツールとして利用してもらう。そんなふうに、図書館が「生徒の学びを深める場」となることを目指しているのです。

図書館の基礎知識

1人が借りられる冊数は7点(2週間)ですが、長期の休みには何点でも借りることができます。

2013年度
蔵書点数 8万9797点(図書:8万6922冊、視聴覚資料:2875点)
購入雑誌 92タイトル
新聞 10タイトル
年間貸出総数 1万6290点
1人当たりの貸出数 14.67点
増加点数 1774点(月別平均147.8点)

生徒図書委員会の発行物

生徒図書委員会では、図書館活動の情報発信を目的とした冊子などを発行しています。責任者となるS2(高校2年生)を中心に、役割分担し助け合いながら作成しています。

2014年3月発行

私の本棚
 図書委員全員が、お薦めの本を紹介する読書案内の冊子です。先生方にも書いていただき、半年余りの編集作業を経て、3月頃に発行しています。原稿依頼からカットの作成、最終校正まで、多くの工程を経て一冊の冊子をまとめる作業は大変ですが、完成した時の達成感は大きく、読書を広める喜びを感じることができます。






2014年3月発行

図書だより
 主に図書館の利用に関するお知らせや、読書の話題などを載せたパンフレットです。図書館を身近なものにしてもらおうと、2013年度は3回発行しました。毎回特集やレイアウトに工夫を凝らし、委員たちのこだわりがたくさん詰まっています。







2014年4月発行

新着図書案内
 図書館で新しく購入した資料の中から、面白そうなものを数点取り上げて紹介する掲示物です。図書等の表紙を添えてカラーで作り、各教室の掲示板に貼ります。ほぼ毎月作成しており、読書好きには楽しみな情報です。




雑誌コーナーには、授業に関連したものや新着読書案内など、多様な種類の雑誌が取り揃えられています。中には、専門性の高い学術雑誌もあります。

図書委員による配架作業。上の棚まできれいに整頓します。

カウンター業務の様子。「ピッ」と本を読みとるこの作業をやりたくて図書委員になる生徒もいるそうですが、画面に表示されたエラーの文字に焦ってしまうことも。そんなときは、先輩が後輩を優しく指導します。

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