メッセージ

創立150周年に向けて


理事長 亀德 忠正

 フェリス女学院は今年創立150周年を迎えました。1870(明治3)年にメアリー・E・キダーによって始められたフェリス女学院は、今では中高、大学合わせて約3600名の生徒・学生が学ぶ場となり、現在までに4万7千名以上の卒業生を世に送り出してきました。これは神様のお支えと在学生の保護者・保証人、卒業生、教職員、また国内外の皆様からのご支援に支えられたものであり、そのすべてを導かれた神様を賛美し、共に感謝したいと思います。

 150年の歴史を振り返りますと、決して輝かしいことだけではありませんでした。幾度となく多くの困難に直面してまいりました。しかしそのたびに、フェリスに関わる多くの方々の祈りと、献身的な働きにより、それらの困難を乗り越えることができましたことは、昨今のパンデミックの脅成に直面する私達にとっては貴重な教訓となるものです。

 学院では、150周年以降の新しい教学のビジョンと私達の未来に向けた使命を示すフェリス女学院ミッション・ステートメントを新たに策定し、公表することにしております。これからもキリスト教信仰のもと、フェリスが変えてはいけないことを堅持していく気概と、変えていかなければならないことには毅然と自己変革に取り組み、大胆に変えていく勇気をもちつつ、皆さまと共に歩み続けていきたいと思います。神様から頂いた150年の賜物に感謝すると共に、今後のフェリス女学院の更なる発展のために私達がこれまでに倍する努力をすることを誓う、輝かしい年にしたいものです。

学校法人フェリス女学院
理事長 亀德 忠正


学院長 鈴木 佳秀

 先人の努力とフェリスに連なる皆様の温かいご支援により、創立150周年を迎えることができました。深く感謝申し上げます。本学院では「For Others」というモットーが長く受け継がれ、今日でもキリスト教信仰に基づく「For Others」の精神が教育理念として根付いています。この「For Others」は、誰かのために生きる生き方を表すもので、しばしば次の聖句が引用されます。

 何事も利己心や虚栄心からするのではなく、ヘりくだって、互いに相手を自分よりも優れた者と考え、めいめい自分のことだけでなく、他人のことにも注意を払いなさい。
(フィリピの信徒への手紙第2章3節~4節)

 私たちが互いに親切にし、配慮しあうということを超えて、「For Others」の生き方はイエス・キリストの生き方に倣うものです。このあとに「ヘりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした」(8節)とキリストについて語られるとおり、自らの命をささげたキリストの姿を仰ぎながら生きる生き方です。

 150周年を迎えた今、言語や文化、価値観の異なる人々と共に、世界の平和と発展のために自らをささげ、人々に仕えていく人をこれからも世に送り出したいと願っています。

学校法人フェリス女学院
学院長 鈴木 佳秀

コンセプト

For Others

 フェリス女学院の教育理念 For Othersは、誰か特定の人によって唱えられたのではありません。永い歴史のなかで自然に人々の心の中で形をなし、学院のモットーとして受け継がれるようになったものです。それは、自分以外の誰かのために生きる生き方を表わすものであり、共に重荷を負いあい、共に生きる道につながっています。

 多様化する社会の中で、フェリス女学院は言語・文化・価値観の違う世界の人々とどのような関係をつくり出していくのか、隣人とどのように共生していくことができるのか――For Others の精神がともし火となり、社会に希望をもたらすものとしてあり続けるために、その使命を果たしていきます。

キリスト教 ─ 真理と自由 ─

 キリスト教の信仰は、いつの時代にも揺らぐことのない真理に立つことにより、あらゆる束縛から私たちを解放し、真の自由のうちに生きることを可能にします。そして、純粋に学問的な探求をも可能にします。フェリス女学院は、キリスト教の信仰に基づく女子教育を建学の精神とし、時代を切り拓く教育を行ってきました。
 混沌としたこの時代の中で、フェリス女学院はどのように学問に向き合うべきなのか、将来一人でも多くの人のために役立ち、人々が平和で豊かに過ごすことができる世界をつくる学問とは何かを私たちは考えます。
 


女性(女子教育) ─ 日本を変える女性たち ─

 フェリス女学院は、女性が学ぶことの意義が認められていなかった時代に女性宣教師キダーが始めた学校です。

 150年近くの時を経て、男女共学が普及した時代にあっても、フェリス女学院は女子教育を堅持していきます。女性の地位は歴史と共に大きく変わってきましたが、女性の活躍が現代の課題となっていることに表れているとおり、女子教育の意義はこれからも問い続けなければなりません。
 フェリス女学院は、女性だけによる環境の中で性差を意識せず、「女性」であるとともにひとりの「人」として自らの資質を見つめ、人間としてのあるべき姿を発見することを促します。これからも自由かつ主体的に判断のできる女性が増えていくことによって日本は変わっていく、と私たちは考えます。

横浜 ─ 世界から横浜へ、横浜から世界へ ─

 横浜は日米修好通商条約(安政五ヶ国条約)に基づき1859年に開港され、日本の玄関、貿易都市として発展を始めました。世界各地から様々な目的を持った人々が訪れ、世界と日本が交流する土地となりました。
 その先進的な文化の窓口であった横浜の地で、アメリカ人宣教師キダーが日本で最初の近代的女子教育を始め、フェリス女学院は以来変わることなく横浜の地で、横浜と共に歴史を刻んできました。これからもまた、この横浜の地から世界に発信し、横浜で育った女性を世界に送り出していきます。