フェリス歴史の扉

ジニー・ブースの遺品

皇室から贈られたといわれる品

 2代目校長ユージン・S.ブースの娘ジニー・ブースの遺品がフェリスに寄贈された。ジニーは1885年に横浜で生まれ、フェリスの敷地内にある校長の住居に家族とともに1905年まで生活し、進学のために帰米した。卒業したジニーは1907年に再来日し、1912年から本科1年の英語を臨時で教えた。そしてその年の秋、結婚のために帰国した。1917年に家族とともに来日したが、1923年関東大震災で罹災しアメリカに戻った。
 2019年にジニーの孫スティーブ・ジョンソン氏が来校された時、祖母が日本から持ち帰った品々の寄贈をお申し出いただいた。これを受けて、2022年12月に本学院の教員と資料館職員が訪米し、直接受け取ることができた。
 これらの遺品はジニーの娘ルース・C.ジョンソン氏が受け継ぎ、ルースの子供たちが祖母ジニーの思い出とともに大切にしてきたものである。
 幼い頃のジニーが遊んだと思われる雛人形や下駄のほか、成人してからジニーが収集したであろう錦絵、九谷焼の皿など全部で約90点ある。
 すでにジョンソン氏からは、ジニーが残した1905年から1912年の間に婚約者ハリー・キャンベルに宛てた書簡などのデータが資料館に提供されている。1907年から帰米までの書簡には、カイパー先生、元町、台風、地震、旅先でのことなど様々なことが綴られていて貴重な資料である。そのほかにジニーが1960年ごろルースに語った日本での思い出が含まれていて、それは『フェリス女学院関連英文小冊子集』(フェリス女学院150年史資料集 第6集)に収められている(「The Day the Emperor Smiled at American Girl」)。両親が不在時に高貴な人がフェリスを訪ねてきたときのエピソードが語られていて、後で皇室から贈られた品5点についても触れられている。それらも今回寄贈された遺品に含まれている。
 今回の寄贈された品々は出所など詳細が不明なものが多く、どのように資料として扱うか検討中であるが、100年以上前の品々であるにもかかわらず、褪色が少なくカビも無く、大変良い状態で保管されている。資料館で多くの方にご覧いただけるよう順次展示していきたい。

(歴史資料館)

寄贈された品々

寄贈された品々

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