記念事業

150周年記念募金へのご寄付を基に、以下の事業を実施することができました。皆様からのご支援に改めて感謝申し上げます。
  【学院共通】150周年記念館の設置等
  【大  学】一次:CLA棟の整備
        二次:ラーニングコモンズの整備
  【中  高】環境の整備
各事業の詳細は、下記のとおりです。

150周年記念館の設置(共通)

 2020年に山手6号館の改修工事が完了し、新たに「150周年記念館」として生まれ変わりました。各階の施設は、右記のフロアガイドのとおりです。
 1階に新設された「フェリス女学院歴史資料館(Ferris Archives of History)」は、2020年11月1日に開館しました。学院に関する史資料の収集、保存、研究、展示等を行い、学院の発展及び学院内外の研究に資することを目的としています。館内には展示室91㎡と事務室が設けられ、事務室はさらに資料保存スペース30㎡と閲覧・執務スペース60㎡に分かれています。
 展示室は、一般公開を前提に、多くの見学者に「フェリスの歩みを横浜の開港から現在に至るまでの歴史と重ねてご覧いただきたい」というコンセプトのもとに整備しました。在校生にとっては自校史学習に役立つ資料が、また同窓生にとっては往時を思い出す懐かしい展示が数多くあります。さらに山手キャンパス、緑園キャンパスの地形模型(ジオラマ)、所蔵写真の投影、現在のフェリスを伝える映像等、様々な展示をご用意しました。
 また、展示室だけでなく、史資料の保存設備も拡充いたしました。重要資料を管理する資料保存スペース(1階事務室内)、不定形な形態の資料類を保存する地下1階倉庫、そして電動集密書架を備えた資料収蔵庫(地下2階倉庫内)。これらを合わせ計72㎡が確保され、史資料の収容能力を向上させることができました。
 そのほか、事務室内に資料閲覧スペースを新設しました。資料館が所蔵している資料群は、目録をとったものだけで約1万点。それらを有効に活用いただくために大きな机を用意し、収蔵庫に収められた史資料を円滑にご提供できるようにしました。
 多くの方々にご活用いただけるよう、150周年記念事業で整備した歴史資料館を今後さらに充実させていく予定です。

※新型コロナウイルスの感染予防のため、当面は学院関係者のみに公開します。感染症収束の折には、一般公開を予定しています。

歴史資料館入口付近の様子

 150周年記念館では、歴史資料館の設置以外にも様々な改修を行いました。例えば、各同窓会室もしくは分室を館内に設置し、全ての同窓会室を山手に集約することで、これまで以上に同窓会同士の協力、同窓会と学院との連携が図りやすい環境を整えました。また、4階をワンフロア化し、多目的スペース「ホワイエ」として整備しました。ホワイエでは、各種催し物や会合を開催することができ、同窓生等、様々な方にご利用いただくことを想定しています。そのほか、大人数が集える606教室(講堂、162席)のリフォーム等、校舎としての機能も向上させています。
 150周年記念館は、学生・生徒や教職員はもとより、ステークホルダーの皆様にもお使いいただくための施設となり、フェリス女学院と皆様を繋ぐシンボルとして生まれ変わりました。

606教室(講堂)

ホワイエ

150年史の編纂(共通)

 『フェリス女学院150年史』(上下巻)は、今までの資料収集や研究の成果を活かし、フェリス女学院の教育の歩みを明らかにして後世に伝えることを目的に、編纂委員会と7名の執筆者が作業を続けています。すでに上巻の原稿を制作会社の丸善雄松堂に入稿し、表記の統一など編集作業を行いながら初校の作成を進めています。今後、編集作業を重ね、上巻を2021年度内に刊行する予定です。また、下巻は、2022年末刊行予定で作業を行います。
 並行して進めてきた『フェリス女学院150年史資料集』は、さらに刊行を続けていく予定です。すでに第5集まで刊行しましたが、第6集は学院が所蔵する英文資料を収録する予定です。
 『フェリスのあゆみ―年表と写真でたどる150年』は、『150年史』に先立って2020年9月に刊行し、在校生、教職員、関係者等に配布しました。大学、中学校・高等学校の学生・生徒が執筆に参加したことは、他校に例がなく画期的で、自校史教育を大切にしてきた成果の一つです。できるだけ学生・生徒が執筆した原稿に基づき、その着想を生かしながら編集しました。また、フェリス150年の歴史を10年ごとに分け、15のセクションで構成し、150年を等縮尺で概観できるようにしたことも特色となっています。多くの写真や基本情報も掲載され、見るだけでも十分に楽しめる本となりました。

※『フェリスのあゆみ―年表と写真でたどる150年』は、実費(1,000円+送料)で頒布しています。ご希望の方は歴史資料館にお問い合わせください。(TEL:045-662-4411)

『フェリスのあゆみ―年表と写真でたどる150年』

CLA棟の整備(大学一次)

 フェリス女学院の伝統であるリベラル・アーツ教育を21世紀型の新しい教養教育として展開するため、2017年度に全学教養教育機構(CLA:Center for the Liberal Arts)を開設しました。CLAでは、文学部・国際交流学部・音楽学部の3学部すべての学生が、学部・学科の専門的な学びと並行して、新しい時代に主体的な役割を果たすために必要な知識と語学運用能力、問題解決の方法を4年間にわたって体系的に習得できるカリキュラムを展開しています。
 CLAを推進する拠点として、専用の校舎「CLA棟(全学教養教育棟)」を整備しました。3・4階の教室フロアは、収容定員の異なる大・中・小の全14教室を備えています。小教室のうち4教室は演習室で、アクティブラーニング型の授業やグループワーク形式の授業で活用されています。1・2階には、学院の歴史資料を展示する「ウェルカムセンター」、建学の精神と教育理念「For Others」の象徴的な活動の場として、「宗教センター」「ボランティアセンター」「バリアフリー推進室」を整備。さらには、本学における国際化のシンボルともなる「国際センター」を設置し、キャンパス内外の国際交流活動を活性化し、留学を志す学生と受入留学生の支援を行っています。
 フェリス女学院の150年の歴史を大切にしつつ、これからの新しい教育を展開するこのCLA棟は、学院創立150周年記念事業のスローガン「150年の祈り 未来へつなげ」を体現する象徴的な建物です。

演習室(2304教室)

ウェルカムセンター

ラーニングコモンズの整備(大学二次)

 学生の授業外学修のさらなる活性化を目指し、2020年4月にラーニングコモンズを開設しました。ラーニングコモンズとは、学生たちが主体的に集まり、必要に応じた指導を受けることができる新しいスタイルの学修施設であり、本学では大学附属図書館本館(緑園キャンパス)にラーニングコモンズエリアを設けました。
 図書館棟の1階にエントランスを新設し、正門方向からのアクセスを格段に向上させたほか、1・2階の一部をラーニングコモンズエリアとすると同時に、2階の図書館エリアもリニューアルしました。ラーニングコモンズエリアでは、図書館資料を使いながらミーティングやペア・グループでの学修ができ、個別の学修支援を受けることもできます。家具の素材やデザインは、長時間滞在しても疲れないこと、バリアフリーであること、志向や用途に応じて選べる多様性があること、女性一人でも移動させやすいことなどを基本方針としました。
 今後は、ライティング指導をはじめとした、学生のアカデミックスキル向上を目的としたさまざまなコンテンツを充実させ、フェリスならではのきめ細やかな学修支援を実現していきます。
 また、言語センターの改修整備等を通じて、学生たちが主体的にこれらの空間を活用し、相互の学修意欲を向上させ、様々な学びの成果を出せるよう学修環境の充実を図りました。

ラーニングコモンズエリア1階

ラーニングコモンズエリア2階

環境の整備(中高)

 中高では、第二期工事(2013年~2015年)として、1号館を中心とした一体感のある教育環境を構築するため、体育館及び2号館を建て替えるとともに、諸室の再配置を行いました。150周年記念事業ではこの第二期工事の集大成として、外構、特に中庭と通用門からの階段を中心とした校地の環境整備を行います。
 中庭の整備では、「屋外で自由な活動が展開できる空間を更に確保する」こと、そして「生徒にとっての憩いの場として生まれ変わる」ことを目指しています。また、通用門から1号館までを「歩きやすく心地よい空間にする」ことを実現するため、通用門からの階段を再整備します。
 当初は2020年度の夏季休暇期間に着工予定でしたが、新型コロナウイルス緊急事態宣言による休校中の授業時間確保等のため、夏季休暇期間を大幅に短縮することとなり、予定していた工事日程での施工が難しくなりました。そのため工事を延期し、2021年7月着工、2022年1月竣工に向け、引き続き事業を進めてまいります。

完成イメージ(中庭)

完成イメージ(通用門側から見た全景)

※完成イメージは2021年3月時点での計画に基づくものであり、今後変更となる可能性があります。

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