メッセージ

創立150周年に向けて


亀德理事長(左)と鈴木学院長(右)

 1870年(明治3年)に、アメリカ改革派教会宣教師であったメアリー・E.キダーによって、日本で最初の近代的女子教育機関として始まったフェリス女学院は、2020年に創立150周年を迎えます。

 キリシタン禁制の高札が掲げられていた時代に、「キリスト教の信仰に基づく女子教育」を建学の精神として掲げ、また、女子教育の意義や必要性など誰も考えなかった時代に、女性宣教師キダーが女性のために始めた教育は、まさに時代を切り拓くものでした。

 その後、150年近くにわたり、キダー宣教師の志を受け継いだ、数え切れないほど多くの方々の献身とその奉仕とが、フェリスを大きな枝を張る大木にまで育ててくれました。数名の生徒で始まったフェリスは、現在までに約42,000人以上の卒業生を世に送り出し、2020年に150周年を迎えようとしています。

 この記念すべき150周年の節目の年を、学生・生徒や教職員のみならず、同窓生、学院関係者、そしてこれまでフェリス女学院を支えてくださった多くの方々と共に祝い、教育理念であるFor Othersの精神を受け継ぎ、次の200周年記念の時を望み見つつ、未来を切り拓いてまいります。
2018年11月

学校法人フェリス女学院
理事長 亀德 忠正
学院長 鈴木 佳秀

コンセプト

For Others

 フェリス女学院の教育理念 For Othersは、誰か特定の人によって唱えられたのではありません。永い歴史のなかで自然に人々の心の中で形をなし、学院のモットーとして受け継がれるようになったものです。それは、自分以外の誰かのために生きる生き方を表わすものであり、共に重荷を負いあい、共に生きる道につながっています。

 多様化する社会の中で、フェリス女学院は言語・文化・価値観の違う世界の人々とどのような関係をつくり出していくのか、隣人とどのように共生していくことができるのか――For Others の精神がともし火となり、社会に希望をもたらすものとしてあり続けるために、その使命を果たしていきます。

キリスト教 ─ 真理と自由 ─

 キリスト教の信仰は、いつの時代にも揺らぐことのない真理に立つことにより、あらゆる束縛から私たちを解放し、真の自由のうちに生きることを可能にします。そして、純粋に学問的な探求をも可能にします。フェリス女学院は、キリスト教の信仰に基づく女子教育を建学の精神とし、時代を切り拓く教育を行ってきました。
 混沌としたこの時代の中で、フェリス女学院はどのように学問に向き合うべきなのか、将来一人でも多くの人のために役立ち、人々が平和で豊かに過ごすことができる世界をつくる学問とは何かを私たちは考えます。
 


女性(女子教育) ─ 日本を変える女性たち ─

 フェリス女学院は、女性が学ぶことの意義が認められていなかった時代に女性宣教師キダーが始めた学校です。

 150年近くの時を経て、男女共学が普及した時代にあっても、フェリス女学院は女子教育を堅持していきます。女性の地位は歴史と共に大きく変わってきましたが、女性の活躍が現代の課題となっていることに表れているとおり、女子教育の意義はこれからも問い続けなければなりません。
 フェリス女学院は、女性だけによる環境の中で性差を意識せず、「女性」であるとともにひとりの「人」として自らの資質を見つめ、人間としてのあるべき姿を発見することを促します。これからも自由かつ主体的に判断のできる女性が増えていくことによって日本は変わっていく、と私たちは考えます。

横浜 ─ 世界から横浜へ、横浜から世界へ ─

 横浜は日米修好通商条約(安政五ヶ国条約)に基づき1859年に開港され、日本の玄関、貿易都市として発展を始めました。世界各地から様々な目的を持った人々が訪れ、世界と日本が交流する土地となりました。
 その先進的な文化の窓口であった横浜の地で、アメリカ人宣教師キダーが日本で最初の近代的女子教育を始め、フェリス女学院は以来変わることなく横浜の地で、横浜と共に歴史を刻んできました。これからもまた、この横浜の地から世界に発信し、横浜で育った女性を世界に送り出していきます。