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第6回 学生のタテ×ヨコの繋がりを深め成長を促す「上級生リーダー」の活動

 新入生を迎え入れる上で欠かせないのが上級生リーダーの活動です。4月のオリエンテーションを中心に、新入生が大学生活をスムーズにスタートできるように様々なサポートを行います。フェリスでは上級生が新入生の面倒を見る習慣が根付いており、その精神が代々受け継がれています。本学ならではの取組の1つである「上級生リーダー」の活動について学生課がレポートします。(2014年12月)

半年にわたる準備期間

 上級生リーダー(以下、リーダー)は新2・3年生の60名で構成されています。自ら手を挙げ、「新入生のために何かしてあげたい」、「自分を成長させたい」という強い想いを持って集まったメンバーたちです。
 活動期間は10月から4月までの約半年間。授業終了後の時間を利用して、月1回のミーティングを重ねます。
 ミーティングは、リーダー達が自主的に計画を立てて進行します。新入生はどのような期待や不安を抱えて大学に入学してくるのか? どのようなサポートやプログラムがあれば新入生に喜ばれるのか? ときにはメンバー間で意見が衝突することがありながらも、全員一丸となって準備を進めていきます。作業は学生同士に留まらず、教員や職員、ときには外部(企業)にも働きかけます。その中で、自分たちの企画を実現するやりがいや、難しさを学んでいきます。
 メンバー同士の顔合わせが終わると、1泊2日の研修合宿を行います。ここでは学生課の職員がファシリテーターとなります。互いを知るようなアイスブレイクや、企業研修でも用いられている問題解決型のワークなど、様々なグループワークを通してメンバー間のチームワークを醸成していきます。このようにリーダーは、半年にわたり、新入生のために準備をしています。

新入生への様々なサポート活動

 リーダーと新入生の最初の接点は入学式直前に行われるキャンパス見学会です。学内で実施されるオリエンテーションに向け、事前に会場となるキャンパス内をリーダーが案内し、大学生活初日の不安解消に努めます。
 入学式後、約1週間にわたって実施される学内オリエンテーション。様々なプログラムをわかりやすくまとめたキャンパスニュース号外はリーダーが作成し、オリエンテーションの「しおり」のような役割を果たします。また、新入生の個別の相談対応を行う「Ask Us!」では、気軽に先輩になんでも聞ける環境をつくり、教職員とはまた違った視点からの情報提供を行います。
 そして何といっても最大のイベントは、パシフィコ横浜で行われる学外オリエンテーション。「キリスト教の信仰に基づく女子教育」を建学の精神とする大学らしく、礼拝に始まり礼拝で終わりますが、この礼拝もリーダーが企画します。他には、学科ごとの特徴や先生を紹介する「学科の時間」や、上級生や新入生同士の交流を図るグループ懇談会など、全て自分達で企画・運営を行います。
 ときには予定通りにいかず落ち込むこともありますが、予想外の感謝の言葉をもらったり、様々な経験をとおし、リーダー達は多くの気づきを得、成長していきます。

成長する上級生リーダー

 上級生リーダーを経験した学生は、大きな成長を遂げています。この活動を通して、相手の立場で考え行動する力が養われます。困っている新入生がいたら、その学生の身になって一緒に解決策を考えます。「ピアサポート」という言葉がありますが、同じ学生だからこそ新入生の力になれる部分が必ずあります。上級生リーダーの活動には、本学の教育理念「For Others」を実践できる場が随所に見受けられます。
 もう1つは、コミュニケーション能力の向上です。60名の仲間や教職員と協力しながらプロジェクトを進める中で、自分の考えをどのように相手に伝え、また相手の意見や気持ちをどのように受けとめるのか、その大切さを考えさせられる場面が多々あります。企業が新卒者に求める能力の1つに「コミュニケーション能力」がありますが、上級生リーダーの活動はそれを学べる機会にもなっています。
 リーダーには、自校を良く理解することが求められます。そこから大学への帰属意識や愛校心が深まることもあり、それは自然と後輩に伝わります。そのような先輩を見て、「来年は私もリーダーになりたい」といってリーダーに応募する新入生や、また続けてリーダーにチャレンジする学生がいます。このように連綿と受け継がれるDNAは、フェリスの校風醸成に寄与しています。
 2015年度上級生リーダーの活動もスタートしました。フェリスはよく「面倒見のよい大学」と言われますが、それは決して教職員だけで作り出している訳ではありません。日に日に成長する上級生リーダーたちの活動もその大きな一翼を担っているのです。

キャンパス見学会

 入学式の1日前に行われる見学会。希望者のみ参加しますが、今年は約100名の新入生が参加してくれました。まずは、キャンパス内を上級生リーダーが案内。どこにどんな建物や教室があるかを一緒に確認します。新入生にとってフェリスとの初めての出会いは「上級生リーダー」ということも。ここまでやるの…?というくらい手厚いサポートを行います。

キャンパスニュース号外

 オリエンテーション期間の様々な説明会やイベントを、1つの冊子にまとめて新入生に配布します。これを見れば、いつ・どこに行けば良いかが一目瞭然。冊子の編集は、写真撮影から文章作成までリーダーが行います。大学周辺のオススメスポットなども紹介され、新入生には毎年好評です。






学外オリエンテーションでの礼拝

 礼拝の奏楽をもって学外オリエンテーションは始まります。宗教主任の先生と連携しながら、礼拝の企画・運営を行います。礼拝に馴染のない新入生のためにも、賛美歌は事前に何度も練習し、当日の本番では新入生をリードします。




Ask Us!

 その名のとおり「私たちに聞いてください!」。授業やクラブ、アルバイトなど、大学生活全般について先輩が新入生へ直接アドバイス。なかなか聞きにくいことも、先輩になら相談できてしまう雰囲気がAsk Us!にはあります。



上級生リーダーの活動の大半を占めるミーティング。相手の意見は否定しない、自分の意見を必ず一度は伝えよう、などの目標をもって臨みます。最初は固い雰囲気ですが、徐々に打ち解けて議論も活発化していきます。

研修合宿の様子。静岡県御殿場YMCA東山荘に宿泊し、リーダーとしての心構えやチームワーク醸成のためのグループワーク等を行います。まずはリーダー同士が意思疎通できる環境を創ります。

学外オリエンテーションの受付風景。新入生が受け取っている黄色い冊子は、上級生リーダーが作成した「手引き」です。当日のプログラムや、学科・教職員の紹介が載っています。

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